デザイナーおすすめの施工①♪気持ちよくぴたっとはまった間取り
ご家族構成:ご夫婦 所在地:神戸市垂水区 築年数:25年 designer: 田中
マンション リノベ 間取り before:3LDK after : 3LDK
間取りがうまくぴったりとはまる感覚。数々の施工に関わった中でもその感覚が強かった施工事例。その2邸を2回に分けてご紹介させていただきます。デザイナーにとって間取りを考える時間は施主様の新しい生活を想像しながらああでもない、こうでもないと試行錯誤する楽しい時間。大変でもあるのですが、はまった時の喜びはひとしおです。
さて注文住宅でなければ間取りを自由にすることは難しいと思われがちですがリノベーションの場合は一度お部屋をスケルトン※にしてしまうので、ある程度、自由に設計することが出来ます。(配線や水道管の位置などで制約は有ります)でも、自由に決められるとなると、逆に悩んでしまうもの。
「どうすればかっこよくかつ使いやすい間取りになるのか知りたい!」という方、多いのではないでしょうか。そこでデザイナーが間取り作成の際に気を付けている点をまとめました。
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- 使いやすい生活動線であるか
- 採光がとれているか、生活音は想定されているか
- 収納の位置や、手持ちの家具の収まりはいいか
- 上記をクリアかつ施主様の希望が反映されているか
今回、ご紹介するお部屋に上記の点が反映されているか見てみてくださいね♪
リノベーションはまず部屋をスケルトンに
既存の間取りを使いやすい物にかえる前にまず、お部屋をクリアにします。
※「スケルトン」とは、部屋の中の床・壁・天井・内装などが何もない状態。「建物の躯体だけの状態」を指します。


■ビフォーの間取りはこうでした




玄関から入ってすぐ廊下。洋室ドアを開けると収納の壁。LDK奥の洋室に入るにはリビングの真ん中を通る必要があり、キッチンはダイニングスペースと少し距離があり出来上がった料理を運ぶという毎日の動作が少し億劫に感じる動線でした。この間取りを先にあげた間取作成の際に気を付ける点を踏まえてこう変えました


一見、大きな変更はありません。間取りを変えると言っても必ずしもいつも何か目立って大きく個性的に変える必要はありません。細かな仕様を変化させ、スムーズな動線を意識する事。まず玄関入ってすぐの二部屋のドアの開閉方向を揃えドアを開けるとすぐに収納の壁、という圧迫感を解消。更に無駄スペースを収納スペースに取り込みより広く使いやすいWICに変更。
キッチン取付位置は変更せずカウンターをL字型に設置し作業スペースを多くとりダイニングへの料理の受け渡しもスムーズに。またLDK奥の洋室へはリビングスペースの真ん中を通過せず手前から引き戸で入れるように。これによりLDKにソファを綺麗な位置に置けるように。LDK奥の洋室には室内窓を施したので圧迫感を生まずまた採光の面でもばっちりに。
出来上がったお部屋をご紹介。
~施主様のお好みはモダンでありながら木のナチュラル感を活かしたミックスインテリア~
いい意味で〇〇過ぎない仕上がりになりました。クール過ぎないのはダークな色目のウッドを随所に採用しているから。すっきりとした直線のライン使い、けれどさりげなくアールを効かせきつすぎない印象に。
木の素材を多用しているのにナチュラル過ぎないのは壁紙に黒を選択し、ストーン調のフロアタイルなど強めの素材を使用しているから。大人っぽいけど大人っぽ過ぎない、いい感じのお部屋に。







~水回りや収納にもリノベらしさを存分に~





LDK横の洋室にはさりげない工夫を随所に施しました


~キッチンはお洒落を保ちつつ収納スペースをたっぷりと~



いかがでしょうか。ドアの取り付け方向の変更や、新しいカウンターや棚板の設置。ニッチスペースを生み出し棚板を設置する事、建具(引き戸、開き戸、折れ戸)の箇所に応じた採用、室内窓の施工、また室内窓下の活用で作業スペースを確保を実現。ワークスペースは個室になっているのでオープン過ぎず隣の家族とそれぞれの時間を過ごしてもそこまで生活音を気にしないでいい作りに。
これらの工夫によって上記の間取り作成の際の注意点をクリアしつつ、施主様にとって暮らしやすいお家をご提案させて頂けたのではないかと思っています。そうであって欲しいです(笑)。
ではまた次回、もう一つの事例についてご紹介させて頂きます♪⌂。